なんだか今年はあっという間に9月になってしまった感が殊更強いが、季節は確実に変わっている。
今までは手直しをした後の画像のみ掲載していたが、「どこを直したか分かりづらい」との声にお応えし、今回は手直し前の画像も併せて掲載。
本来ならば手直し前の画像を撮るべきではないのだが、当教室は見学や体験を行っていないので、このブログで教室の雰囲気やお稽古内容をお伝えできればと思っている。
瓶花(投入れ)、水盤(盛花)以外の作品を初めて作ってみたMさん。たてのラインが意識できて、スッキリとした仕上がりになっている。
左のいけ口がちょっと寂しいのと、オミナエシが塊になりすぎてしまい、ケイトウやリンドウを隠してしまった部分が少し残念。
モンステラの角度を変えることにより、面の部分を多角的にし、オミナエシを全体的に散らすことにより、ケイトウがしっかりと出るようにした。こうすることで正面以外から見ても奥行きが感じられる作品となる。
仮にカーリーウイローがなくても、玄関やリビングに飾れる花になると思う。
モンステラを2枚重ねて、面を意識したYさん。モンステラの葉の間からオミナエシを出して工夫が感じられる。
画像で見てもピンクッションからオミナエシまで続くライン、カーリーウイローと相まって一つの流れがあって美しい。
ただ実際に見ると若干立体感に乏しく、のっぺりとした印象が強いので、モンステラ自体にしっかりと高低差をつけ、立体感と面を強調、作品全体を大きく見せ、ケイトウを足すことで色彩的にもポイントを作り華やかさが増した。
水盤のお稽古を始めたAさん。花材が、線のカーリーウイロー、面のモンステラ、マッスのオミナエシと、特性が異なる組み合わせのため、オーソドックスな作品に仕立てるには難易度が高かったかもしれない。
各花材に高低差がつけられている部分が高評価。
しかし花材の足元が空いてしまい、全体的に淋しい印象になったのが残念な点。モンステラの葉を足すことで足元を隠し、作品全体の重心を下げた。また、直立していたピンクッションとケイトウに傾斜をつけ、オミナエシを密にすることにより、全体の流れと統一感を出した。
最近は創作花をお稽古していたSさん。久しぶりに水盤盛花に挑戦。
ご本人も出来に納得がいってないようだったが、全体的にモサモサした感じになっている。
右側に大きく空間を作り出すことにより、アシンメトリーを強調。ソケイとゴッドで全体に流れを出す。
また、同じ高さになってしまったワレモコウに高低差をつけることにより、ふんわりとした軽さが出る。
水盤のお稽古に励むAさん。枝や花のバランスが取れていて高評価。手直しの点としては、前に出てくるゴッドが強調されすぎてしまったところと、ワレモコウが全体的に同じ高さになってうるさい印象になってしまったところ。
ゴッドを短くすることで、作品全体に締まった感じになる。ワレモコウも同じ長さにならないよう留意すると散らかった印象から脱却できる。
基本に立ち返って、壺の投入れ花のお稽古をしたMさん。作品全体を「たてに伸ばしたい」のか「よこに伸ばしたい」のかをハッキリさせると、全体の流れも出てきて、まとまりのある作品となる。
今回のトサミズキは、矯め(人工的に力を加えて形作ること)ができるが、本来はその枝が持っている元々の美しさを見抜くことが大切。どの枝を残し、美しいラインを出すか。
そのためにはしっかりと花材の枝ぶりや葉のつき方、花のつき方を見なければならない。