いつものホテル、いつもの会場


ライブだけじゃなく、仲間と過ごす時間も楽しい苗場。

 

変わらない景色

 
私が苗場に通い始めて、20年ほどになるが、毎度建物が見えれば「おぉ!」と感動し、ホテル玄関から階段を上がってロビーに出れば、たちまち顔面の筋肉は弛緩する。
その年によって館内の装飾が多少違っていても、同じリアクションをするのだから、つくづく私はチョロい人間だと思う。

ともすれば1泊、多くても3泊だというのに、まるで海外に数ヶ月滞在するかのような大荷物をカートに積み、ロビーラウンジ「エーデルワイス」横の傾斜のきつい通路を通るたび「なんでこんな大荷物にしたのか」と、いつも少しだけ後悔する。

大荷物になる理由は後述するが、これも毎年同じことを思うのだから、つくづく私は学習能力のない人間だと思う。


今年はその通路の壁面に、「SURF & SNOW in Naeba」の40周年を祝うフラッグがあったが、こちらはカートに載せた自分の大荷物を押し上げていくのに必死である。

そのフラッグに気づいたのは、翌日になってからであった。

 
部屋に着き、簡単に荷解きを済ませると、とろとろと眠気が襲ってくる。
考えてみれば午前中から飲み続けていたのだ。
夕食まで少し眠ることにした。
こんな時間に寝るだなんて、これもバカンスの醍醐味である。

 

お衣装


目覚めて窓の外を見ると、とっぷりと日は暮れている。
再度友人と合流し、夕食の鍋をいただく。
いつもならここでもビールや日本酒を合わせるのだが、この日はどうにも調子が出ない。
そりゃそうだ。午前中から飲み続けていたのだから。
ビールは1杯だけにしておいて(結局飲んだ)、早々に部屋へ戻り、ライブ本番に向けて準備を始める。

ライブ本番と言っても、別に私が歌うわけではない。当たり前だ。
しかしここまでの道中で着てきた服そのままでライブを観るわけにはいかない。
お茶席だって、席入の前には足袋を履き替える。それと同じだ。
これはファンとしての矜持である。

大荷物になる理由はここにある。
とにかく衣類が多いのだ。
本番前に着替えるのは、何も私だけではない。
友人たちも皆、気合の入った出で立ちになっている。
やはり類は友を呼ぶのだろう。

 

いよいよ本番


開演前の会場前スペースには、全国津々浦々から集まってきた老若男女がひしめいている。
私はここの開演前と、終演後の時間が好きだ。
これから始まる緊張感や、ライブ終わりの高揚感に包まれた時間は、苗場プリンスホテルでなければ味わうことができない。
この時間こそ、雪に閉ざされたこのホテルで演る意味なのだと思う。

 
何かを召喚するような儀式っぽいが、なぜか恒例となっているチケット撮影を経て会場であるBLIZZARDIUM(ブリザーディウム)へ。

 

40周年 おめでとう!

 
ユーミン自ら「40周年おめでとう」と始まったライブ、いつもは本編最後の「BLIZZARD」を1曲目に演奏し、会場のボルテージは一気に最高潮に達した。
苗場ならではの曲がオンパレードで、たっぷり2時間半。

ここまで書いておいて今更であるが、このブログは飽くまでも華道家のブログ。
詳しいライブ内容は、それぞれのファンサイトをあたっていただきたい。

ただひとつ「最高でした」とだけ記しておく。