前回のブログにも書いたように、ドクターストップがかかってしまい、お稽古もしばらくお休みにしてしまった。今回はお休み前の、4月から6月のお稽古。
なんとまぁ半年前のお稽古内容を振り返るのだから、「あらあらまぁまぁ」としか感想がない。
これほど長期間休んだこともなく、申し訳なさでいっぱいである。
では早速お稽古を振りかえってみよう。
ハナズオウは花木の中でも枝ぶりを見る格好の花材。どの枝を活かすかによって、表情が一変する。
メインになるハナズオウの枝ぶりと作品全体の空間を考慮すると、この場合は左右反転させた方が良い。そして下部にもハナズオウを入れることによって、全体が華やかになり、ひとつの流れができあがる。
創作的な花器にタンチョウアリウムを入れた作品。花器の上部にもいけ口があって、上下2段でいけたが、ほぼ同じ位置にいけると、作品全体が小さくなってしまう。
しっかりと左右に振ることにより、上下のコントラストをはっきりさせ、タンチョウの人工的な曲線を強調することができる。
ちなみに「タンチョウは単調にならないようにね」とアドバイスしたが、ピクリとも笑ってはくれなかった。悲しい。
枝葉のつき方、形を「枝ぶり」というが、いけばなで大切なことは、まず枝ぶりをよく見ること。特に投入れの場合は、花材の持つ自然なカーブや葉のつき方を最大限に活かすとかっこよくなる。
もうひとつは、余白の取り方。同じ大きさの余白ではなく、大きい余白・小さい余白と緩急をつけることにより、コントラストの効いた作品になる。
ほぼ手直しなしだが、左側ツツジの傾斜を強くした。アンスリウムでしっかりと面を強調させているぶん、作品上部に広がりがないと窮屈な印象になってしまう。
ほんの少しの傾斜の違いで、さわやかなイメージが出るのだから、いけばなは面白い。
アレカヤシの部!花の部!といった感じ。せっかく大きくいけるのであれば、アレカヤシを重ねてみてはどうだろうか。
花・葉・花・葉と重ねると、アレカヤシの葉の隙間から奥の花がのぞき、より立体感が出る。
上と同じ花材だが、こちらはアレカヤシの葉をカットして、シャープな印象。ただ、こちらも花と葉が分離してしまっている。
花と葉の間にスターチスを足すことにより、グラデーションを作ることができる。こうすることにより花と葉の完全分離感がなくなり、一体感が出る。
すーっと伸びる直線の代表格、フトイ。直線構成の分だけ作品全体の広がりを意識する。
ナルコユリの位置を変えれば、作品下部で広がりを出すことができ、上に伸びるフトイも直線を強調できる。
亀甲型の花器に対応するように、フトイを曲げてシャープな造形。手前に出したナルコユリの力が大きい分、反対側にもそれに呼応するような力で引っ張るとぐっと奥行き感が出る。
この場合、すべて鋭角でフトイが曲げられているので、同じ鋭角で左奥に向かって入れるとシャクヤクが咲いてもそれに負けないくらいの造形となる。