お稽古日誌

ほんの少し前に正月だと浮かれていたのに、もう次の正月が来てしまう。体感では1か月くらいだろうか。年がら年中浮かれっぱなしである。

トサミズキの細いラインとモンステラの面の大きさのバランスに目が行きがち。もちろんそこも重要なのだが、ハイブリッドスターチスのボリュームの出し方によって作品全体の雰囲気が変わることに留意したい。
同じ長さに揃えてしまうと、なんだか垢抜けない印象になってしまう。スターチスにも高低差をつけることによって、作品全体の立体感や陰影が出る。

同じモンステラでも、面を強調すると面白い作品になる。
特にこの回のお稽古は「面の構成」がテーマだったのだが、「上から見たら面の構成なのかな…と」その発言でハッとした。そしてすぐに「いやいや…うん。確かにね。そうなんだけどね」と解説。
いけばなとは立体造形だから、様々な視点から見る必要がある。上から見ただけでなく、正面、横などから見ても作品として成り立っていなければならない。
この場合、正面は面の構成だが、横から見た時はどうなるか。それでもモンステラの微妙なカーブやそこに生まれる陰影などを考慮して花が入っている。

一見「おっいいかな」と思わせてくれるが、あと一歩な惜しさがある。よく見るとすべての花が左を向いている。
私は花や枝が向いている方向に「力が行く」と言っている。いけばなは左右非対称(アシンメトリー)で構成するのだが、そこに同じ方向に力が行くと全体にバランスが悪くなる。
枝や花の向きを少し変えるだけで、グッとバランスが良くなる。

セッカヤナギとツルウメモドキの2種をどう組み合わせるか。上に伸ばす形を強調するのであれば、いっそ花器ごと替えてしまった方が面白くなる。
脚付きのコンポート花器にそっくり移植して、下に向かうセッカヤナギを足すと、縦のラインが強調され、作品全体が大きくなる。

紅葉したドウダンツツジでしっかり枠組みを作ると、それだけで全体が締まる。横に伸びる枝、上に伸びる枝、そして前に出る枝。それぞれの枝の特性を活かして、美しい葉が一番よく見えるように角度を見定めることが重要。
あとはその中に高低差をつけた花をいれればいいだけ(ま、それが難しいんだが)

ユニークなフォルムのフウセントウワタ。これをどう使うかがこの作品の肝かなぁ?と花材を組んだらクリスマスツリーをイメージした作品に仕上げてきた。なるほど。フウセントウワタやアンスリウムをオーナメントと見立てたわけか。
パールのロングネックレスをあしらっているが、ちょっとダラリとしすぎている。これを花の中に絡ませて、ヒムロスギを右側に伸ばすと三角形となり、さらに花器との親和性が出てくる。

今シーズンもバリエーション豊かな稽古となったが、どなたも確実に実力をつけてきている。
さて季節は冬に向かい、そこには正月花特別稽古も控えている。
どんなお稽古なるか、私も楽しみにしている。