11月のお稽古

季節はあっという間に11月。どれだけ早く過ぎていくのか。11月は私の都合もあって2回しかお稽古日が取れなかった。申し訳ない限りである。

 

 

アカメヤナギを矯めて、美しいラインを出したAさん。全体の流れも良い。足元の剣山が丸見えになってしまったところと、スプレーマムが一つの集合体になったことで、作品全体の重心が下がりすぎた感がある。

 

画像では分からないが、上に伸びるアカメヤナギの根元が離れていたので、そこをしっかりと一か所から出るように見せ、かつユーカリを足してユリが咲いてもバランスが取れるようにした。

 

 

全体が左に傾斜し、広がりに乏しい感じがするSさんの作品。
 枝や花の方向をしっかりと見せることで、作品全体にくっきりとした流れが出る。

 

 

この花材組みの場合、比較的ボリュームのあるユリやスプレーマムとは対照に、アカメヤナギは線になる。この量感をどう調和させるかが、今回のポイントになる。

 

 

 

来年から小学生になるYちゃんは、隣でお稽古しているお兄さん、お姉さんが始動されている時も耳をそばだてて聞いている。

 

「三角形を作りましょう」と特別指導したわけでもないのにストックで大きい三角形を作っていた。
 門前の小僧とはよく言ったもので、今回は手直しなし!

 

 

来春から生花店勤務が決まっているTくん。いよいよフローリストっぽい作品になってきた。たてのラインを強調したいのであれば、なるべく余分なラインは取り除かなければならない。
 例えば先端の若干左へ流れているセッカエニシダを取ることで、より直線が強調され、スッキリとした印象になる。

 

 

 

同じくたてのラインを強調したかったMさんは、水盤に対して花が大きくなってしまった。花器と花との調和を考えると、アンバランスさが際立ってしまう。

 

ならばと、思い切って脚付きのコンポート花器に変え、セッカエニシダに若干の矯めを加えてスラリとした作品にした。
 こうすることで、本人が表現したかった「セッカエニシダの強調」ができる。
 セオリー通りのいけ方ではないが、たまにはこのような遊びの花も面白いし、突き詰めれば創作花や現代花にも通じるいけ方となる。