照井敏幸×曽我部翔

「BLANKEY JET CITY」というと、我々世代は「おぉ!」となるバンド。


解散から約20年。
「自分の中で」という前置きは付きますが、90年代の匂いがする、でもいま聴いてもすごくカッコ良くて、ファンキーで、どこかチャーミングで。

今回、BLANKYのベース、照井さんと、私の友人でフラワーデザイナーの曽我部翔さんがコラボする「音楽と花」が、東京・代官山のライブハウス「晴れたら空に豆まいて」で開催されました。

私からしたら、桃源郷のような組み合わせ。
曽我部さんから「こういうイベントがあるんだけど」とご案内いただいた瞬間「それ行くから!!」と即答した私。
そして「BLANKEYの照井さんと、息子と関わりのある曽我部さんのイベントだなんて!!」とものすごい勢いで反応した、私の弟子(19歳)の母(敢えて年齢を伏せます=同年代)も交えて、いっすい花教室修学旅行第2弾(但し母同伴)です。


会場は代官山のライブハウス「晴れたら空に豆まいて」
100人ほどのキャパでしょうか。


ステージの両側、無造作に置かれた花材。
これどうなるの?
これをベースにして、花をいけるの?
などと考えているうちに開演。
照井さんの演奏が始まり、仄暗い中から曽我部さんの花いけが始まります。

様々な表情を見せ、心地よい時間が流れる照井さんの演奏の後ろでは、曽我部さんの作品が出来上がっていきます。

メインの枝物をすっくと立て、そこにノバラ、ウンリュウヤナギ。
続いてアマランサス、バラ、ダリアと、徐々に色が入っていきます。
照明は主に照井さんに当たっていますから、作品の全容は見えるようで見えません。
その微妙な陰影の中で、全体のシルエットは存在感を増していきます。


最後に見えた作品の全体像。
この存在感。
この力強さ。

私が曽我部さんと知り合ってから、ほぼ10年。
それからずっと抱いていた、曽我部さんの「セクシーな色合わせ」への嫉妬。
…うん。そう…嫉妬なんです。

私は、この色で組み合わせる自信がない。
私も色彩学を(一応)なぞりましたから、理論として理解できますが、理解と実践は別。
そこが個性と言われればそれまでなんですが、これは真似できない。

だからこそ、見る者を惹きつける力があるのだと思います。


それが証拠に、みんな撮影してるしね。
言葉にならない「おぉぉぉぉ」という静かな感動が広がっています。


あの薄暗く、そして演奏しているすぐ後ろで、しかも1時間ちょっとでいけ上げるなんて!と感服。

演奏と花作品と、すっかり酔いしれて興奮冷めやらぬまま、曽我部さんにご挨拶をして辞去しましたが、この記事を書くために写真を見返すと、その興奮が蘇ってきます。

同行したお弟子とお互いに「すごいね!」と貧相な語彙力を交わしつつ夜は更けていきました。