ありがたい事にバタバタとしていて、気がつきゃブログもほったらかしになっている。今回は2ヶ月まとめて稽古の様子を。
花付きの良いツツジ。しかし枝を整理しないと野暮ったい印象になりがち。作品全体のフォルムと重心に気を付けながら、全体に広がりのある作品に手直し。
赤と緑の補色の中で、ピンポンマムの黄色をアクセントとして効かす。花材組みとしてはかなり強めの配色なので、ツツジの赤をどう活かすかがポイントとなろう。
ハナショウブの直線と、タニワタリの曲線を融合させたこの作品は、水盤の対角線上に剣山を配している。タニワタリがもう少し小さければ、いけ口は向かって右だけの一か所にまとめ、丸めたタニワタリからハナショウブが放射線状に伸びる形が面白い。
この作品を手直し部分としては、左側の剣山が丸見えになっており、これをフェイクアイス(うそ氷)で隠した。
古典的な手法としては、寒水石で根元を隠すやり方もあるが、フェイクアイスの素材感で爽やかさを出すのもアリ。
タンチョウアリウムは、うねうねとしたラインを活かす。
先端が一か所に集中してしまうと、作品として面白みに欠ける。ということで、アリウムのラインをしっかり出して、力の方向を分散させると、全体に動きのある作品となる。
ちなみにこのアリウムはネギ属。稽古をしていると部屋全体がネギ臭い(笑)
創作花の稽古
さて最近は創作花の稽古も本格的に始まっている。もう10年近く稽古を続けているお弟子さんは、手直しなしで稽古を終えることも多くなってきた。
今までも創作花の稽古をしていなかったわけでもないが、ここらで一度理論もきちんとした方がいいなと、創作花の代表的な作例を示しながら作品構成の基礎から稽古している。
ただ、創作花は稽古というより、全員で「研究」といった感じが強い。自分が表現したい世界を、植物でどう表現するのか。そして何より見ている人にそれが伝わるのか。
創作花作品というと、自由な感性を花作品に投影すると思われがちだ。確かにそうだ。否定はしない。しかし制作するには、表現テクニックとして花の構成が必要で、これが基本となる。これもまた基本が大切なのである。