気分も新たに張り切ってお稽古を……と思った端から二度目の緊急事態宣言である。それでも前を向いてお稽古するぞっ!
寸法もよく綺麗にまとまったMさんの作品。
あとは傾斜角の問題。トップに持ってきたアオモジを立てることにより、たてのラインを意識した全体の流れがはっきりする。
投入れたてに伸びる形に挑んだMさん。Sさんと同じく、アオモジが同じラインで入っている。
アオモジの間隔を空けると、全体に広がりが出る。また、スターチスを全体に散らすことにより、グリーンの多い花材の中でアクセントとなる。
水盤の大きさに対して、取材となるアオモジが長いが、作品下部にドラセナを配置することにより、重心が一気に下がる。
よってこのくらいアオモジが長くても、作品全体の大きさが出て伸びやかなラインを形成する。
今回のYさん、手直しなし!!
サクラ(東海桜)を主材にしたこの週のお稽古は、手直しなしの方が続出。もうみんな長いことお稽古されてる方ばかり。
前回に引き続き手直しなしになったYさんは、サクラやスカシユリが咲いた時のことを考えていけている。特にユリが咲いた場合に重心が一気に下がることを考慮しているところが素晴らしい。Yさんの花材組み、次回からは難易度を上げてみよう。
サクラの枝ぶりをよく見て、一番美しく正面が見える枝を選んだSさん。キクの高低差もしっかりとつけてメリハリが効いている。
この春らしい花材組みは、見ているだけでウキウキとした気分になる。季節はまだ寒さが続くが、春の兆しを季節をちょっとだけ先取りした花で感じることができるのが、いけばなの醍醐味だ。
盛花の横型が好きだというTくん。今春から生花店勤務が決まった。いける花もなんとなくフローリストらしいに感じ仕上がる。
強いて言うなら右へ延びる主枝に対して、上に伸びる力が少々弱い気もするが、花が咲けば問題ない程度。この作品同様、彼も早く花が咲くことを願っている。
あまり手直しなしばかりが続くと「これでお月謝をいただくのは忍びない」と思ったわけでもないのだが、Mさんは手直し。
全体に直立したイメージが強い部分と、画像では分かりにくいが左に出ている枝が裏向き。この2点を直す。
いけばなは基本的に三角形で構成する。そしていけ口からの広がりを持たせると少ない花材でも大きく見せることができ、そうすることにより日本独特の「省略の美」が表現できる。全体的に空間を意識すると良い。