お稽古日誌

今後はお稽古日誌として3ヶ月に一度くらいのペースで更新予定。今回は昨年の11月からの分を一部抜粋。ん?これは3ヶ月どころの騒ぎじゃないな。

小さめのガラスの花器にいけると、日常のどんな場所にも飾ることができる。
ニューサイランはそのまま使うと、大ぶりでしっかりとした葉が扱いにくく感じるかもしれない。

右側に捻りを加え、左はそのまま大きく使ったが、妙にビヨーンと出てしまった。
これを取ればスッキリする。
取った葉に捻りを加えて後ろ側に入れると四方正面となる。食卓の中央に置くと毎日のごはんが一層華やぐだろう。

アルストロメリアの位置が高いと、全体に重心が上に行ってしまう。また、チューリップの隙間がちょっと気になる。

チューリップは、いけた後も成長する。そこも見越して位置を決めると良い。
ユキヤナギでふんわりした雰囲気を出したのが高評価。

一昔前まで比較的メジャー花材だった柳巻きツル。脱色(晒し)加工した柳の皮をグルグル巻いたもの。
そのまま使ってもいいけれど、ピンを外してビヨヨーンと伸ばしても面白い造形ができる。

人工的な曲線で全体に動きを出すと、ワンランク上の作品に仕上がる。

また、花をいける位置(この場合、剣山を置く位置)によって、粗密のコントラストがはっきりする。

隣で稽古をしていた方を見て、ならばとビヨヨーンさせてみたお弟子さん。
全体的に右上方向にひっぱられてるイメージが強くなってしまった。

いっそヤナギで左右に引っ張る力を出してしまうのもひとつのテクニック。
ヤナギの造形が独特なので、全体のバランスに気をつけたい。

投げ入れの場合、花器に剣山を入れてはいるが、全ての花が剣山に刺さっているわけではない。
剣山に刺すことを意識してしまうと、何もかもが垂直になってしまい、いけ口の足元が丸見え。

それぞれの花に傾斜をつけて、奥行感と作品の中に流れを持たせると、シュッとした造形になる。

それぞれ役枝の寸法取りがいいだけに、レンギョウがキュッとして、窮屈な印象になったのが残念。上部に向かって間隔を空けるようにすると、全体にゆとりが出る。

こうすることで他の花々も窮屈さ加減が軽減され、作品全体が大きく見える。

いけばなは余白の美とも言われる。全体の流れと空間を意識して、しっかりと余白を取るようにすると収まりのいい作品に仕上がる。

特にボケのような枝の形に特徴がある場合、その形を最大限活かしきる必要がある。主になる枝(この場合は左へ流れる枝)を定めたら、そこに準じる枝(上に伸びる枝)は主の枝の補佐的要素であると同時に、作品構成の中でも重要となるので、ここは慎重に枝ぶり、花付きを見なければならない。