2年ぶりの名古屋場所である。
テレビで中継をやっていれば見るし、それぞれの力士の勝敗くらいは気になる程度で、熱烈な相撲ファンというわけではない。どちらかと言えば、会場独特の雰囲気が好きなのだ。
地元で開催される名古屋場所。昨年は新型コロナの影響で国技館での開催となり、名古屋場所を名古屋で(変な言い方だが)開催されるのは、2年ぶり。
これでもかと対策が施された愛知県体育館に行ってきた。
7月の名古屋
初めて相撲観戦は、祖父母に連れられて行った小学生のとき。若貴ブームの真っ盛りで、館内は連日の満員御礼。当時はとにかく暑かったことしか覚えていない。もったいない話である。
なにせ7月の梅雨が明けるか明けないかの頃、一番ジメジメして暑い期間が名古屋場所なのだ。そこに大観衆がぎゅうぎゅう詰めになって、巨体と巨体がぶつかる様子を手に汗握って観戦しているのだから、涼しい要素なんてこれっぽっちもない。
コロナ禍しか見られない館内
それが今年は、最前列の溜席は数列空けられ、通常4人入る枡席も、今年は2人まで。今回は親戚の叔父夫婦も同行し計5人での観戦で、3枡取って私は一人で一枡使うという超贅沢な経験をした。
考えてみればあの狭い枡席に4人も座るという方が無理な話で、ゆとりをもって座るなら2人くらいがちょうどいい。むしろそれくらいケチケチせず振る舞うのが粋というものだ(と思う)
それにしても今年はガラガラの愛知県体育館。そして声援も送れないから拍手のみ。横綱土俵入りも「ヨイショー!」がないのはやっぱり淋しい。
必要最低限の水分補給以外、飲食はできず、ビールとつまみを片手に相撲見物していたころが懐かしい。
無理にいい方向へ考えれば、こんな状態なんて今しか見られないわけだから、貴重な経験と言えばその通りである。
暑くて熱い名古屋場所、来年は元に戻っているだろうか。そんなことを考えながら少し涼しくなりかけた夕方の名古屋の街をあとにした。